「じゃあ、広夢と杏奈は待ってて。俺がボールを家からとってくる。」



そういって悠真は家のほうに走り出した。



その後ろ姿をあたしは見つめる。



「ひろくん、あのね?」




「………………ん?なに?」




「あたし…………といるとドキドキする。これって何だろう?」



「え!?」



ひろくんは一瞬驚いた顔をして、



「それは“こい”っていうのかも。」



「こい??」



あのころのあたしにはきっとわからない。