キーンコーンカーンコーン…

チャイムが鳴った。

「ぃやったあーーーーっ」

あくびをして、言った男子。

こいつは、有坂隆士だ。

おっちょこちょいで、女子に人気がある。


がたっ…


さっきの男子、雄貴が移動をしていた。

「あっ…!!」

大きな声で反応をした。

雄貴は気付いてくれた。

「さっきはありがとう」

はじめて素直にお礼を言った。

ちょっぴり、どきっとした。

「べつに~いいしっ!!」

雄貴は、へっちゃらーみたいな

ノンキな顔をしていた。

私は、そんな雄貴をみて、ついつい笑ってしまった。

「雄貴バカ~??(笑)」

涙が一瞬でそうになった。

笑い涙。

コイツと一緒にいると、

面白くて

楽しいな、と思ったからだ。

それから、雄貴と色々な話をした。

テストの話ももちろん。

クラスの話や、自分の話。




それから…

私は、毎日の様に

雄貴と話すようになっていた。

学校へくれば、いつも、どちらかが

自分のほうへ来る。


それが、たまらなく、嬉しくなっていた。

そんなの、私は、まだ

実感してなかった。

そして、この時間が楽しかったことも。