テストは、めんどくさい。

前の日には、勉強をしてこないといけないし…

そんな、へりくつを思っていたら、

計算の式を間違えてしまった。

「あっ…」

小さな声で言った。

消しゴムが消えていたのだ。

きっと、昨日、机の上に置きっぱなしにしてしまったんだ。

どうしようか………

困った顔をしていると、隣の男子が声をかけてきた。

それは、山本雄貴だった。

「俺の消しゴム、借りていいよ」

下のほうで、手のひらにのせてある消しゴム。

「ありがとう」

私は、小さな声で言った。

恥ずかしかったが、大丈夫か…と思った。

なんとなく、アイツの笑顔が

不安を消した様にみえたからだ。