<ところで、何かあった?>

二人で言い合わせて聞かれた。

びっくりして、戸惑ってしまったが、

「何も…」

と、小さな声で答えた。

けれど、二人は諦めず、

<何かあったでしょ!!>

と言う。

そんな二人をみているうちに、

笑顔が生まれてきた。

それから、私は全て話した。

美優は、

「私もそんなことあった…悲しいよね」

と意外な答え。

等は、

「男だってそういうふうになることあるんだぞ」

と、わけの分からない事をつべこべ言っている。

話してよかった。

心からそう思った。

はじめて話した等と美優だったけど、

全然緊張はしなかった。

むしろ、最初から友達の様な感覚だった。


そして、教室へ行くまで、等たちと話した。

その途中のこと。いきなり美優が言ってきた。

「でもね、私、聞いちゃったのよねぇ…」

首を傾げていった美優に、『何が?』と反応をした。



そう…その時聞いた話は…

雄貴と隆士のことだった。

あの時、私が走り去った時の後のこと…

偶然、等たちが聞こえた話だという。

それは、隆士が―…

隆士『桃香は、やめろ。』

雄貴『は?』

隆士『お願いだ…諦めてくれ…!!』


隆士がそう言ったことで、雄貴は諦めてしまったという

ことなのかもしれない。

そう、等たちは言う…

でもまだ…信じられない…。

それが理由なの…?