あれは・・・あたしがまだ中1だったころ。
部活が終わって帰ろうとしたとき、傘を忘れて戻った教室・・・―――
タタタタ・・・・・・
あたしは教室に向かっていた。
もちろん、傘をとりに。
階段を上りきって、廊下で走る。
すると教室から声が聞こえた。
あ、はるだっ!はるの声。
親友だからわかる。
「あはははっ!だよねー、ウチもそう思うー」
ほかに・・・誰かいる・・・?
「――――って鈴野にアピりすぎだよねー」
鈴野・・・学校で一番イケメンって言われてるあいつか・・・
鈴野ってイケメンなの?
てかそいつにアピる人いたんだー
タッタッタッタッタ・・・・・
「うんうんだよねー」
早くドア、開けないと――――――
「―――――――――・・・」
ピタッ
あたしは手を止めた。
――――嘘でしょ――――?
ハルがそんなこと言うはずない・・・
言うはず・・・な・・・い
言うはずない!!!
「玲奈ってウザいよね」