「かぁ……さん……?」 無意識に 絞り出してようやく出てきた言葉は 鳥の鳴き声と蝉の鳴き声でかき消された。 女の人は 困った様な苦しい様な顔をしてから 少し笑って 「いらっしゃい。」 そう母と同じ声で言った。