「…しょうがねえな
分かった」


分かってるよ。


お前にお願いって言われたら

お願いを聞くまで
帰れないこと。


そうやって
ねだられる時間のほうが
長くなったら厄介だから

俺は仕方なく
歩美のお願いに応じた。



『…ありがと。
コーヒー、淹れてくる』


歩美がそう言って
一旦店の奥に行く。