「嫌やったら、嫌やって言うて?そしたら俺もう二度と実奈子と・・・っ」


うちはすぐに勝利の口を押えた。


その先を言わんでほしい、うちの気持ちが勝利に通じた。


そっと勝利の口から手を放す。



「み、なこ?」




そして、うちは今度こそノートに返事を書いた。






『うちもな、ずっと好きやった』




「・・・誰を?」







はい!?

今ここでそんなこと聞きますか?!


信じられへん、この人!



「っはは。ウソやし。ごめんごめん」


・・・誰かー、この目の前にいてる人一回殴ったってください。


あきれた、と言わんばかりに肩を落とすうちを見て慌て始める勝利。


「ごめんて!な?」


メッチャ焦ってる。


かわえぇやん。



『許しま、せん』


「なんでぇや。許してやぁ」



意地悪返し、と思いつつ本題を思い出す。


て、ことは・・・うちは、勝利の彼女?


「で・・・俺ら、付き合う、ん?」


勝利もあまりに急なこと過ぎてのみ込めてないらしい。


うちが聞きたいことやったのに。

『・・・勝利が、えぇなら。』


「ホンマに!?いや、むしろそのせりふ、こっちやし!」


『・・・うん』


うちがその二文字を書くと、顔をパァッと明るくしてガッツポーズをする勝利。



いや、ですからここ・・・



「っしゃぁぁぁぁぁ!」


「すみません、ここでは静かにしてもらえます?」


そっと寄ってきて言ってくれたんは、図書館のお姉さん。


ついに怒られた勝利。


これに懲りて二度とこんなことになりませんように・・・。