「ねぇ、梓紗??」


名前を呼んだ瞬間に梓紗の肩がビクッと大きく揺れた。


梓紗の手はあたしの頬よりも赤く腫れている。


なんでそんなに切なそうにあたしを見るの??


「何があったの??何でも聞くよ??」


あたしは梓紗の近くにゆっくりと近寄った。


「…………ないで。」


「梓紗??誰にこんなことされてるの??」


あたしは梓紗の首元に触れた。


その瞬間、梓紗は苦痛に顔を歪ませた。


「梓紗、お願い。1人で抱え込まないで??」


あたしは自然と梓紗を抱き締めていた。


苦しまないで……………。


あたしを助けてくれたのはいつも梓紗だった。


すぐにあたしの不安にも何もかもに気が付いてくれた。


だから、今度はあたしが梓紗の事を助けてあげたい。


梓紗を守りたい。


あたしのことをいつも守ってくれた梓紗のように。




「ひっく……………っく………。」


梓紗が初めてあたしの前で泣いた。


その瞬間、あたしの何かがプツンッと切れた気がする。