あたしの頬に鋭い痛みが走る。
なんでこんなに痛いの??
唇から、血が垂れたらしい。
「彩海!?!?」
「血が出てんぞ!!!!」
「何してんだよ!!!!」
クラスの中に居た人たちがあたしと梓紗を囲んだ。
みんなが梓紗に罵声を浴びせる。
そんな中、あたしは冷静に言った。
「みんな、ちょっと静かにしてもらって良い??」
クラス中にあたしの声が響く。
誰も何も喋らなかった。
あたしは梓紗に対して怒ることはない。
あたしは梓紗が1番どのものよりも『大切』だから。
どんな理由があってあたしを殴ったのか聞きたい。
あたしは梓紗の口から真実を聞きたい。
あたしは梓紗の嘘が分かるから。
梓紗の嘘を吐く時のクセ。
右手で左手の肘を触るクセ。
ずっと一緒に居たから、本人の分からないことまで分かる。
だって、あたしは梓紗が好きだから。