ふいに彩海が俺をじっと見始めた。


「どうしたんだよ、いきなり俺のこと見て。」


「なんか、本当にあたしで良いのかなって。」


「俺はさっきも言ったように彩海が好きなんだから彩海しかいらない。」


「琉斗…………。」


「もう泣くなよ??」


「分かってるっ…………もんっ…………。」


しかし、彩海の瞳には瞬きをしたら大粒の涙が出てきそうだ。


しかも……………その姿は子犬のようにも見える。


…………………可愛い…………。


俺は少しだけ彩海を抱き締める強さを弱めた。


俺の理性がっ……………。


しかし、彩海がそんなことに気付くはずもなく。


「なんで、力緩めるの??」


涙目+上目遣い……………。


我慢できなくなるからだよ!!!!


「ねぇ、なんでぇ……………。」


そう言って、ぽろぽろと涙を流し始める。


「あぁぁぁぁぁ、ゴメン、ゴメン。」


頭を撫でてやると。


「へへへっ。」


愛くるしい子犬に変わった。


彩海ってこんな感じだったけ??


まぁ、可愛いから許すけど……………。


マジで、これで手を出しても文句なんて言わせねぇぞ。