それからあたしは毎日、あの小屋に行っては夏起くんと身体を重ねた。
誰もあたし達の関係は知らない。
あたしは夏起くんと学校では話さない。
話すどころか、瞳も合わさない。
そしてあたしは朱希に毎日、殴られている。
だけど、あたしも毎日あの海に入っている。
いつでも死ねるようにずっと奥に入っていく。
なのにその行為を止めるのはいつも決まって夏起くん。
いつだって夏起くんはあたしを止める。
あたしは何も喋らなくなった。
夏起くんに抱かれている時も、朱希に殴られている時も。
だけど、ある日のことだった。
いつもあたしは屋上に呼び出されて朱希やクラスメートに殴られる。
だけど、その日だけは違った。
あたしはクラス中の男子に……………レイプされた。
「イヤぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
あたしの叫びは誰にも届かなかった。
夏起くんにも朱希にもクラスメートにも。
それからあたしは毎日、レイプ。レイプ。レイプ。
身体も心も何もかもあたしは壊れてしまった。
残っているのは『形』だけ。
あたしはレイプされた日には夏起くんのところには行かなかった。
ただ、屋上で1人でうずくまっていた。
家に帰らずに、夏起くんの所にも行かずに夜はずっと歩いた。
人が居ない場所に。
神様も見えない場所に行きたかった。
だけど、結局は戻らないと。
レイプされたことを殴られていることを誰かにバラせば朱希は夏起くんに何かするとあたしは脅された。
あたしを救うのは『あたし』だけだった。
いつになったらあたしは解放されるのか。
何度、あたしは汚れたのか。
もうレイプされることにも夏起くんに会わなくなるのも朱希に殴られることも慣れてしまった。