あたしは彩海を守るためならなんでもしたかった。
彩海はあたしが昔、いじめられていたのを知っているから。
あたしが高校1年生のころ。
あたしはある女の子にいじめられていた。
その子の名前は『朱希』[aki]
あたしといつも一緒に居た子だった。
その子は色んな子にも好かれるような子だった。
綺麗な子だった。
その子はあたしの『憧れ』でもあった。
だけど、あたしはどうしても朱希に言えないことがあった。
それは、朱希が秘かに想いを寄せている『夏起』という男の子。
その子をあたしも好きだったということ。
いつも朱希があたしにその話をしてきた。
『今日は話せたんだ』
『一緒に歩けた』
『あたしの想いが伝わると良いな』
その言葉を聞くたびにあたしは胸が痛んだ。
あたしは朱希に自分の想いを言えないまま寒い冬が来た。
あたしと朱希の歯車が狂ってしまった寒い寒い冬が………。