琉斗side
彩海の頬が少しだけ赤い。
手の形…………??
「なぁ、頬っぺたどうした??」
「あぁ、まだ赤いんだ。」
彩海は手で頬を擦っていた。
「これね……………梓紗にやられたの。」
「梓紗に!?!?」
「そっ、でも梓紗の強がりの証。」
「何されたんだよ。」
「思いっきりなのかな??叩かれた。」
その顔は優しい顔だった。
梓紗に怒っているような様子でもなく、ただ、見守っているような。
「なんで梓紗は彩海を叩いたんだ??」
「あたし達を守るためなんだって。」
「俺達を守る??」
「梓紗ね??ずっといじめられてたの。」
「!!!!」
「あたしと琉斗が付き合ってからなんだって。」
「どうして梓紗を??」
「あたしの大事なものだから。」
「彩海……………。」
「卑怯な手であたしの大切な人を傷付けた。許せない。」
彩海は静かに泣き始めた。
赤く少し腫れた頬に涙が1つ2つと落ちていく。