コイツ等の仲の悪さ、どうにかしてほしい。

 せめて目の前でケンカしないでくれればいいんだけど。

 これがなければこの学園での生活のストレスも40パーセントぐらいは減ってくれるような気がする。


「もう、ケンカはよしてよ」

 あたしは言い合いを続ける二人の間に割って入った。

 殴って黙らせたいけど、必死に抑えた。

 二人はバチバチと火花を散らしそうなぐらいにらみ合っている。



「で、どうするの?小町。寮にはいられないのよ」

 雅が先に虎から目を放した。

 気遣わしげな茶色の瞳をあたしに向けてくる。

「うーん……」

 あたしは突きつけられた現実に、机に突っ伏してうなってみた。

「小町、帰りたくないのか?」

 次に声を掛けてきたのは虎。

「うーん……」

 あたしはもう一つうなった。



「帰りたくないなら、俺のお家で一緒に過ごそうよー。今度はパーティとかじゃないからさ、二人でゆっくりご飯を食べて愛を語り合おうぜ!」

 虎の台詞に、あたしは椅子から転がり落ちそうになった。

 どこがどうなったら、そこまで飛躍するのか分からない。