「玲菜、具合はどうだ?」
「今日は熱もないの!もう少しで退院だって!」
嬉しそうに弾んだ声が俺や、龍さんの顔を緩ませる。
「そうか、よかった」
「うん!…ぁっ、!拓真!!」
優しそうに微笑んだ龍さんが病室に足を踏み入れた瞬間、玲菜にしては大きな声が病室に響いた。
「っ、玲菜、久しぶり。大丈夫、?」
「っ、拓真…、拓真っ!」
俺を見て、大きく見開いた目から、水滴が頬を伝って流れ落ちる。
「、玲菜…ごめんっ、ごめんな…」
ぽろぽろと止まらずに流れる涙に、焦って玲菜を抱き締めた。
「拓真の、ばかっ!…ごめんねっ」
なんだ、早く会いに来てやればよかった。
玲菜はあんなことで拒絶するやつじゃない。
むしろ、ごめんねって、私が悪かったって、そう言うやつだった。
「玲菜、約束は必ず守るから。玲菜も、必ず守れよ。」
そっと耳元でささやいた俺は、大きく頷いた玲菜を確認して、腕の力を少し強めた。
少し重みの増した玲菜に疑問に思って顔を覗きこむと、スーっと安心したように眠っていた。
いや、もう、超可愛い。
なんなの。マジで。
いつもクリクリして、見上げてくる大きな目は今は閉じられていて、長い睫毛が頬に影を作る。
可愛い。
「…そろそろはなせ。」
可愛い寝顔をみてゆるゆると頬が緩むのを感じていると、横から不機嫌そうな声が聞こえてハッと我に返った。
チラリと声の主を見ると、こらまた不機嫌そうに眉を寄せて俺を見下ろしていた。
「…龍さん、玲菜のこと好きなんですか、?」
その言葉を聞いてわずかに目を細めた龍さんを見てまたまたハッとした。
いやいや、俺何言っちゃってんの!
バカでしょ!バカじゃん!
口に出してんじゃねーよ、バカ!
そーいうことは心のなかで思っとくんだよ、バカ!
「…ああ、多分、惚れてんだろうな」
わたわたと慌てていた俺の耳に、静かな声が入ってきた。
「…っ、!」
ちらりと見上げた龍さんの顔は、俺の腕の中の玲菜をみながら甘く微笑んでいた。
(か、顔が暑いんだけど、ナニコレ。)
以前からお知らせしていたことについてです。
ただいま、他サイトへの小説の移行&修正を行っております。
プロフィールにてホームページのURLを貼らせていただいております。
プロフィール⇒http://no-ichigo.jp/profile/show/member_id/480084?
そちらのBOOKsからとんでいただけると幸いです。
また、タイトル変更をさせていただいております。
タイトルは 私にできること。 です。
ではでは、今後ともよろしくをお願いします。