いやいや、俺何言っちゃってんの! バカでしょ!バカじゃん! 口に出してんじゃねーよ、バカ! そーいうことは心のなかで思っとくんだよ、バカ! 「…ああ、多分、惚れてんだろうな」 わたわたと慌てていた俺の耳に、静かな声が入ってきた。 「…っ、!」 ちらりと見上げた龍さんの顔は、俺の腕の中の玲菜をみながら甘く微笑んでいた。 (か、顔が暑いんだけど、ナニコレ。)