思い出した。
今日はあたしの19歳の誕生日だった。

そして、すぐに気がついた。
今日の彼の様子がおかしかった理由。
あたしにプロポーズするためだったんだね。

「…ありがと、嬉しい」

嬉しくて、泣きそうになってしまうのを必死でこらえた。

「お前のために仕事頑張ってやるから」

そう言って微笑む彼が愛おしい。

「愛してる」

2人の声が夜空に消えた。

そして、その日、あたし達は初めて2人の"未来"について語り合った。