「もうさ、丸二年だよね」 「ん? 何が?」 放課後、学校近くのショッピングモール内にあるファーストフード店。 私、野上依子(ノガミヨリコ)と友達の横田香織(ヨコタカオリ)は、いつものようにポテトを頬張っている。 「依子が冬馬のストーカー始めてからさ」 「ストーカー?? 人聞きわる!!」 「いや、ほぼストーカーでしょ」 塩の付いた指をペーパーで丁寧に拭きながら、香織は意地悪そうに上目遣いで笑う。