「でしょうね。30すぎて独身なんて、いきおくれですよ、全く」
「でも良かったじゃん。年下の旦那さんなんて、自慢だよ」
「そうですか?」
吉永は少し驚いた顔をして聞いた。
「うんうん、若い方がいいに決まってる。彼女も多分自慢してるよ」
「……そうかなあ」
「こんな若いイケメンの旦那さんに『結婚してくれ』って言われたんだよーって」
私は、冗談のつもりで笑ったが、図星だったのか。彼は少し顔を赤らめ、目を伏せたのを見逃さなかった。
「……君も、そういう顔するんだね」
「いつもの顔ですよ」
そう言い返した時には、確かにいつもの顔だったかもしれない。だけど、あの一瞬の、照れたような表情は初めて見た。これが、いつも彼女の前で見せている表情か、と思う。
そして同時に、二度と見られない表情なのかもしれないな、と思った。
「でも良かったじゃん。年下の旦那さんなんて、自慢だよ」
「そうですか?」
吉永は少し驚いた顔をして聞いた。
「うんうん、若い方がいいに決まってる。彼女も多分自慢してるよ」
「……そうかなあ」
「こんな若いイケメンの旦那さんに『結婚してくれ』って言われたんだよーって」
私は、冗談のつもりで笑ったが、図星だったのか。彼は少し顔を赤らめ、目を伏せたのを見逃さなかった。
「……君も、そういう顔するんだね」
「いつもの顔ですよ」
そう言い返した時には、確かにいつもの顔だったかもしれない。だけど、あの一瞬の、照れたような表情は初めて見た。これが、いつも彼女の前で見せている表情か、と思う。
そして同時に、二度と見られない表情なのかもしれないな、と思った。