キョロキョロと視線が彷徨うも、ふと上を向けば目が合った。



「…嘘だよ」



「ん?何が」



「キスしたいとか、思うよ…」



「こんな可愛いアリス、初めて見たかも」



クスクス笑い、ソファーに移った恵央斗。

ついて行き、正面に立ち塞がりながら「何よ!」と、照れと怒りの複雑な気持ちで言う。

“可愛い”と言われて、悪い気はしないけど、笑われた正直に言った自分が恥ずかしいし、何だかムカつく。