「小谷。」
外に出て伸びをしていると、同じアガリなのに私の後で着替えるために遅くなった宮城が追っかけてきた。
宮城は中学ン時のトモダチ。
偶々私がバイトを探してるのを知って、ここを紹介してくれたのも実は宮城なんだ。
「小谷。口空けてみ。」
そんなことを言われて、何の疑いもなくぱかっと口を開けてみた。
「ぅむ~、おいひい。」
口に広がったのは甘~いチョコレートタルトのお味。
「お持ち帰り用の一口タルト。期限今日までだから小谷の腹で消却処分な。」
宮城が悪戯小僧みたいにニカッと笑う。
わーい。
チョコ大好き。
しかもお腹空いたし!
言い方がなんだけど、
もっとくれ~とせがむと
宮城はタルトを摘んで鼻先にぶら下げた。
「ほれ。欲しきゃ取ってみ~ろ。
ちびっ子。」
むかっ。