ぉ兄ちゃんは確かにカッコイイヒトだったけど、

こんなカッコ良かったっけ?




そんなことをボンヤリ考えていた時




「ぅきゃっ」


波に足を押されて、身体がぐらついた。





転ぶっ。

濡れるっ!





だけど、私が海に浸かることはなくて






「ばかか。ボケっとしてんなよ。

波にもってかれちまうぞ。」




呆れたようなからかうよーな声が耳元で聞こえた。



腕を掴まれ強い力で引き寄せられた私はぉ兄ちゃんの腕の中。


広くてたくましい胸板の感触と、ほのかに香るシトラスに


途端に緊張して動けなくなった。