「ん。着いたぞ。」
タイミング良くそんな声と共にバイクが停まって
ほっとして顔を上げて、途端に目を輝かせた。
「うみぃーっ♪」
バイクから降りて海まで一直線。
「あーっ!
ぉ兄ちゃんっなんかいるよっ。
ヤドカリ、やーどーかーりーっ!」
「ふ・・・
海ごときでここまでハシャがれっと、連れてきた甲斐があるってもんだな。」
はっ・・・!
私ってばホントに単純。
さっきまであんなに緊張してたってのに・・・・
照れ隠しに口を尖らせてぉ兄ちゃんを睨んで
場違いに魅入ってしまった。
太陽が乱反射する海に目を細めて笑う【男の人】は
―――文句なしにカッコイイ。