「これ見よがしにキスマークなんか、見せつけてんじゃねーよ。バーカ。」



暫く何のことか分からずにぽかーんとした。


理解した途端、ごぉっと顔が熱くなった。



反射的にド突かれたトコロを手で覆って口を動かすけども・・・

ぱくぱくするだけで言葉がデナイっ。




ぉ、ぉ、ぉ、ぉ兄ちゃんのバカァーっ!!







バイト終了時間になり、手早く着替えて外へ飛び出した。




「お~お疲れ。」




バイクを置いて、ガードレールに腰かけていたぉ兄ちゃんの前に立つ。


今日のぉ兄ちゃんはバイト休みで、もっぱら私の送り迎えのみなんだけど。





「もうもうもーう!

何であんなっ、サイアク!もーっ!!」




「のっけからテンションたけーな。

でも何言ってっか全然わかんねぇーぞ。」



「だから、きっ、きっきすまーく・・・」




怒りをぶちまけてやろーと息巻いていたのに


なんかぉ兄ちゃんに言うには見当違いな単語のような気がして、しどろもどろになる。





ああ、あれ、と言う顔をしたぉ兄ちゃんは絶対確信犯だ。