そう吐き捨てて、荒々しくドアを開けてどこかに行ってしまった。

ねぇ、千広。

たまに見せる苦しそうな表情は、なにを伝えているの?

そんなに、私のことが嫌い?

「..っ」

わかってたけど。

嫌われてるって、わかってたけど。

好きな人に面と向かって言われるのは、苦しい。

どうすればよかったのかな。

"俺のこと好き?"

そう聞かれたとき、なんて答えれば嫌われなかった?

ううん、それよりも。

もっと早く、気持ちに気付いていればよかった。

伝えられない。

好きになってもらえない。

そのことが、どうしようもなく悲しい。

その日以降、私は毎週金曜日に千広を待つのをやめた。

待ってても、千広は来ない。

そう痛感させられたから。

いつから千広はこんなにも遠い存在になってしまったのかな。