私が黙っていると、しびれを切らしたのか、千広は大きなため息をつくと、

ドンッ。

私を自分と壁の間に閉じ込めた。

その顔は無表情で。

だけど、顔の近さにドキドキしている私がいた。

「言って。」

「言え..ない..」

言えないよ。

というより、言いたくないんだ。

前みたいに、普通に話せるようになって、笑い合えるようなってから、言いたいんだ。

「..ごめん。」

だから、今は言わないよ。

そんな私の気持ちなんて、千広に届くわけもなく。