「呼んだ?」
ぬおっ!?現れた!
「シチュー出来た」
「そ。じゃあ食べようよ」
「うん」
すごいなぁ、黒羽は。人殺した後に普通にご飯食べれるなんて、やっぱり神経麻痺してる。
今までも、ハンバーグ出したってミートボール出したって、平気で食べてたし。
……黒羽は何で、人間殺すのかなぁ。そんなに楽しいのかな。
「……そうだね。確かに快楽はあるよ。かなり歪んで捻曲がった愉しさが。
だけどそれは理由のほんの一部でしかない。三月には到底わからないさ。わかる筈がないんだ。
僕とお前は対極の関係。根本的に違うし、わかり合えるわけがない。
あぁ、お前の思考はさっぱりわからない。感情が欠落し、更には己の意志すらも理解することが出来ないなんて。
そしてそれを表に出さず、どこにでもいるただの人間に成りすまして過ごす……。何て下らない、意味のない。
人が殺されるのは見過ごせるくせに、人を殺すのはよくないだなんてそんな一般的な考えを持って、そのくせそれがどうしていけないのかまるで思い付きもしない。
ふざけてる。お前なんか例え目の前で生きてるとしても、そんなの存在してないのと同義だね」
相変わらず、黒羽は何を言ってるのかよくわからない。
けど、私を否定したいのはよくわかった。