登校して授業してお昼食べて放課後は誰かが掃除して、体験入部の勧誘などで群れる人々の間を掻い潜る。
今日から体験入部があるんだっけ。えー、一週間もわらわらした校舎歩くのー?
人間で溢れ返った場所なんて気持ち悪くて仕方ないや。
何て思いながら玄関へ。
「ねぇ、ちょっと」
「ぅむ?」
……ぅむって返事はどうだろうか。突然話かけられたとはいえ、ぅむはどうだろうか。
話かけてきたのは黒縁眼鏡の男子。誰だ?
「ここ、2年2組の下駄箱」
……ん?
2年2組?
「ま、間違えた!」
私はまだ1年2組でしょうがっ。嫌っ、恥ずかしっ!危ない危ない。
「えっと、有り難う」
靴ひもの色が同じだから、同学年だよね。だから気付いて注意してくれまんだ。
彼はふっと笑った。
「いいえ。それじゃあ気を付けて、またね、荻南さん」
「うん、またね。
……ん?」
今私の名前呼んだよね。つまり私を知ってる?私は知らない!
……まぁいっか♪