「うわ、真っ暗」
塾帰りの夜の道。早く家に帰りたくて近道をしようとした所、路地が暗くて狭いので困った。
でも早く帰りたい。ええい、女は度胸!勇気を出して進むことにした。
真ん中らへんまで行った時。異変に、気が付いた。
何かが後ろから近付いてきてる。
怖くなって、走り出した。すると、足音も走って付いてくる。
嫌だっ、怖いっ!!
「痛っ!!」
足に何かチクッとしたものが刺さった。
「捕まえた」
聞こえたのは、まだ幼さを残した男の子の声。嫌、何なのっ!?
「それは麻酔と睡眠薬を合成した自動式注射だよ。これであんたは晴れて僕の人形だ。おめでとう」
その言葉の意味を理解する間もなく、私の意識は遠ざかっていった。