「……昨日怪我した一葉ちゃんを治療し終わった後、頭を撫でたら冷たくなっちゃいました。
何故でしょう?」
竜鄙さんは哀しそうに自分の手のひらを眺める。悪いのは仕草じゃなくて、
「竜鄙さんの笑顔」
「えっ?」
「竜鄙さんは治療の後、いつも営業スマイルを浮かべるんです。それが気に入らなかったんじゃありませんか?」
「営業スマイル……。無意識でした」
「普通のいつもの笑顔で接すれば、多分大丈夫ですよ」
「頑張ってみます。アドバイス有り難うございました」
私達は医療室を出た。
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