「どして?」
「狂気の黒《マッドブラック》。これは、そもそも黒が嫌いだからね。
僕が普段黒ずくめでいるのは、単に好きだからというわけではない。隠れやすいからだ。
そして状態悪化《バッドダウン》。失礼だよね、悪化だなんてさ。必ずしも悪化するわけではないのに。
今までも好転した例がいくつかある。僕がしているのは何しも、悪いことばかりではない」
「いやいや、世間から見れば立派な悪だよ」
「世間からは、だろ?大体悪の概念って何だ?どこからが悪くてどこからが良い。
人を殺すのが悪だと言うなら、犬を殺すのは悪じゃないのか?
それこそ差別だろ。命の重みは皆同じだ。要人であろうと、一般人であろうと、ノミであろうと、同じだ。
軽い命なんかない」
「だから何で殺すの?」
「理解出来ないことを言うつもりはないよ」
「じゃあ何も喋らないでよ。普段の言動がすでに理解出来ないから」
「……ばーか……」
「何か言った??」
「別に。空耳だろ」
そう言って、何故か勢い良くシチューを食べる黒羽。何か怒ってるっぽいけど、私何かしたかな?
黒羽の怒りの線はわからないからなぁ〜。考えるだけ無駄ってやつだ。