俺の隣りで眠る暁の額に手を添えて髪をかきあげると、そっとキスをして…その人は呟いた。

「暁…がんばったね。
茜も僕も君が僕たちの息子であることを誇りに思うよ。」

俺の位置からは逆光になってその人の顔は見えなかったけれど、きっととても優しい顔をしているのだろうと思った。

太陽の光に、髪が剥けるように紅い茶色に染まるその人が、何かに護られるように光って見えたのは、やっぱりまだ目がおかしかったからなのだろうか。

その人から溢れ出る光が暁を抱きしめているように見えたのは、窓から差し込む光の錯覚だったのかもしれないし、光の世界の余韻が見せた幻だったのかもしれない。

それでも、その光景に深い愛情を感じた俺は

夢の中でも良いから俺も母さんに抱きしめられたいと

心の底から願った。