傷ついた心の根本的な部分を癒す。

それが暁の言った心に光を入れると言う事だったんだろうか。

俺がぼんやりしていると背の高い白衣を着た人がやってきた。

どうやらお医者さんのようだ。

目がまだ良く慣れないせいか、それとも俺の意識がぼんやりしているせいか、その人の呼びかけに応えたのかどうかも覚えていない。

後になってどれだけあの時の先生と看護婦さんの顔を思い出そうとしても思い出せないのは、あの光の余韻が残っていたからなのかもしれない。

だけどその後のお医者さんの行動は、はっきりと俺の記憶に焼きついた。