「芽唯ー早くしないと遅刻するよー」




お母さんが1階からあたしを呼ぶ。




「はぁーい!」




お母さんに短く返事してから鏡を見る。




ん、ピッタリ。




鏡の前でクルッと1回転してみる。



スカートが宙を舞う。



腰に手をあてて、鏡の前で仁王立ちをする。



そして最後に、ブレザーを着る。




「よし、OK」



「芽唯ー」



「今いく!」




鞄を持ち、部屋を出る。



ウキウキしながら階段を降りていく。



そしてリビングに入り、鞄をソファーに置く。




「おはよー」



「おはよ。ご飯早く食べてね」



「はぁーい」



テーブルには、だし巻き卵やポテトサラダなどが並んでいる。



あたしは箸を掴み、ご飯を淡々と口に運ぶ。



お母さんのだし巻き卵は、あたしの一番好きな食べ物。



誰の作ったものよりおいしい。