「えっと…これは夢か何かですか?」

自分で頭を殴ってみた。
痛かった。

「そう解釈してもらっても構わないわ。案内するからこっちへ来て。」

女に続いて歩く。

150センチくらいだろうか。

そんなことを思っていたら澄川は話し始めた。

「あなたはたまたまドリーム・ワールドの座標と一致したみたいね。かなり珍しいタイプだわ。」

「えっ…っと…俺ら以外にも人いるの?」

「当たり前でしょ。一千万人くらいかしら。今は昼間だから人は少ないけど深夜になればうんっといるわ。」

新崎は内心ドキドキしながら質問した。

「さっき俺をかなり珍しいタイプって言ったけどそれは一体…」

澄川は少しにやけながら説明した。

「ドリーム・ワールドってのはねぇ、簡単に言えば穴なの。」

「穴………?」

やらしいことを考えたがすぐに揉み消した。

「そう。人生に嫌気をさした人たちが現実逃避してあまりにもその思いが強い人が辿り着く場所。簡単に言えばメンヘラの集まり。あなたみたいにたまたま座標と一致して正規の入口から入って来れた人はあなたを含め四人だけ。あ、着いたわ。」

高鳴る胸の鼓動を抑え怪しげな地下室へと入って行った。