蝉の声がひしめく真夏のある日。

男子高校生の寮から大きな声が聞こえた。

「やっべ!遅刻じゃん!!」
カバンを手に取り家を出た。

エレベーターを使わず階段で一気に駆け降りる。

エントランスにたどり着き寮を出ようとしたその時。
キーンという耳鳴りのようなものの後に新崎響はバタリとその場に倒れこんだ。