「本土との連絡がつかない…」

ある日、先生がぽつりと言った。

「先生?」

「…もしそれが私の役目なら……それで世界が戻る……?」

先生はひとりでボソボソと話す。

「先生!」

「…え?あ。冠堵さん…ごめんなさい。なに?」

「宿題を教えてほしくて…」

「今の、聞いていた?」

周りの先生がすこし警戒をする。

え?

「本土からの連絡が来ない…ですか?はい。聞こえていました」

「…そう。筒路くんたちは?」

雪はこっそりとポケットのスマホをにぎった。

「……図書室に、います」

「そう…」

急に後ろから殴られた。

予想外でびっくりしたが、殴られた衝撃でメールの送信ができたから問題はないだろう。


「校倉瑠衣、谷田部夫妻、筒路唯鹿の父親を殺せ。谷田部郁奈、飯田良樹、校倉真の三名は各々の判断に任せる。必要があればころしてもかまわない。筒路唯鹿は生かして連れてこい。やつが全てに関係していると思われる」


先生がいつもとちがうのは私にもわかった。


みんな、にげてください。