さて、羽毛田の追撃を振り切り、アニキ達が生き延びる手だてとは……?


『これから、あたしが言う通りにしてね♪
まずは、そこの角を左に曲がって!』


「よし!左だヤス!」


『そこの三つ目の交差点を右!』


「ハイ!喜んで~!」


『そこから大通りに出て!』


「イエッサ~♪」


『もっとスピード出して!』


ゆみの指示に従い、アニキ達は必死に車を走らせた。


「いったい何処に行くつもりなんだ?」


『さあ♪これで最後よ♪次の角を左に曲がったら、アクセル全開で真っ直ぐ走って!』


その角を曲がると、道は急な登り勾配になっていた。
アニキ達は言われた通りに、エンジンが悲鳴を上げんばかりに、アクセルを床いっぱいまで踏みつけた。


「いけえ~!ヤス~!」


「うおぉぉぉぉ~!!」



きっとこの先には、アニキ達の希望の女神が微笑んでいてくれるに違いない。


殺されずにすむのだ!


今は、そう信じるしか無いではないか!


やがて、車がもの凄いスピードで登り勾配の頂上にさしかかった時、アニキ達は目の前に信じられない光景を見た!