アニキは、羽毛田の事を藪製薬の社員だと勘違いしていた。


「どうして藪製薬の社員が、アパッチなんかに乗ってるんだよ!」


アニキが疑問を持つのは当然だ。
製薬会社の社員が爆弾を爆発させたり、戦闘ヘリを操ったりする筈などない。


羽毛田は、アニキの的のズレた質問に大笑いして答えた。


『俺があの会社の社員とはお笑いだ♪
ちょいと訳ありで、あの会社に肩入れしちゃいるが、俺達はあの会社の人間じゃねえよ♪』


「だったら、お前達は何なんだ!」


『教えてやるよ……
俺達は……










泣く子もだまるテロリスト“尊南アルカイナ”だあぁ~っ!!』


「テ・・テロリスト・・・」


無線機を持つアニキの手が小刻みに震え、その手から汗が滲み出した。


「ま…まさか……あのテロリストが……」


あまりの驚きと恐怖で、アニキ達の顔は真っ青になっていた。
体中がガタガタと震え出し、その口から発する声もまた震えていた。


「あ…あの…“911”で世界中を恐怖のどん底に陥れた……」



どうやら、『アルカイナ』と『アルカイダ』を間違えているようだ……