社長室のドアが開き、数人の部下を連れて刑事が入って来た。


「はじめまして。
捜査一課の山下と言います。」


ヤマさんこと、山下刑事は警察手帳を提示しながら穏やかに社長と挨拶を交わした。


そして、部屋をぐるりと見回すと、この場に似つかわしくない風貌の羽毛田と黒崎を指して、質問をした。


「こちらのお二人は、どちらの方で?」


朝霧が得意気に大声で答えた。


「刑事さん♪そいつらはテロリ………」

「わああぁぁ~~っ!」……俺達は……そうそう!俺達はこちらに捜査を依頼された“探偵”でして~♪」


羽毛田は、とっさに嘘をついてごまかした。


「ほぅ探偵?…どこの探偵なんですか?」


「ん!…え~と……
あっ♪森永探偵事務所のシチローと言います♪」


苦し紛れに、シチローの名を語る羽毛田……


森永探偵事務所という名前は、山下にも聞いた事があった……確か三人の女性エージェントを雇っているとかいう所だ……


「ああ~、アナタが森永探偵事務所の……部下の三人のエージェントはどうしてますか?」


「いやぁ♪あの三人なら、酒でもかっ食らってんじゃないですかね~♪」


「またまた♪ご冗談を♪まだ昼間ですよ(笑)」