電話の取り次ぎは、通常…秘書の朝霧の仕事である。


「こらっ!勝手に電話に出るなっ!このハゲ!」


「うるさい!ハゲって言うな!このアマ!」


「ハゲだから、ハゲって言ってんじゃないのよ!大体、名前からして“はげた”じゃん!
や~い♪ハ~ゲ~ハ~ゲ~ツルッパゲ~~♪」


再び、電話のベルが鳴り響いた。


「あ♪ツルッパゲ~~のぉ~……

ガチャ…
お待たせ致しました…社長室秘書の朝霧でございます……」


「電話に出たとたんに態度変えるんじゃね~よ!」


「はい…そうですか……かしこまりました!」


受話器を置いた朝霧は、羽毛田の方をチラリと見ると、ほくそ笑む様な表情を見せてから、社長に電話の内容を報告した。


「社長♪刑事さんがお見えになりました♪」


刑事と聞いた途端、羽毛田と黒崎の顔色は変わった。


「ボス…警察はヤバイですよ……」


「むぅ…………」