「泣いて...る...の...?」

不安そうな目であたしを覗き込むシン。

たまらなく、愛しくなった瞬間だった。

同時に、シンの呼吸が落ち着いたことが
すごくうれしくて、どんどん涙は流れてくる。

「ごめん...なさい...」

[ちがうの。死んじゃうんじゃないかって、あたしもこわかったの]

「うん...」

本当に、死んでしまうんじゃないかと
すごく不安と恐怖に包まれた。
それくらい、激しかった。

「過呼吸...なるんだ、すぐ...」

[病気?]

「わからない...です...昔から...」

[苦しかったね...。原因わからないの?]

「はい...急に...苦しくなって真っ暗になって...」

あたしはシンを抱きしめたまま
ゆっくり話すシンの声を聞いた。

そう、ケイがはじめて出会った日に
あたしにしてくれたように。