海で二人で座っていると
どんどん気持ちが落ち着いていった。

びっくりするくらいに、
あたしは今までのことをケイに話した。
ケイは黙って、時々あたしの髪を撫でながら
ずっとあたしの話を聞いてくれた。

話しているとかなしくなって
あたしが泣いてしまうと
強くあたしを抱きしめてくれて
朝まで海で二人、座ってた。

[あたし、どこにいても一人なんだ]

「だったら俺がそばにいてやる。今日からユーリは一人じゃない」

そう言って、あたしたちは指切りをした。

それからの10年、
約束通り、どんな時でも
ケイはあたしのそばで
あたしを守ってくれていた。

あたしが生まれて初めて、できた友達、ケイ。