「やめろ!!」

その一言であたしを掴む男たちが離れた。

それがケイだった。

「ガキがこんなとこでなにやってんだよ、危ないだろ」

悪い噂とは程遠い、
美しい少年がそこには立っていた。

あたしはふと我に返って
怖くなって震えて涙が止まらなくなった。

「ほら」

ガタガタと震えながら座り込むあたしに
ケイはあたしの手をとると、
いきなりあたしを抱きしめてきた。

なに…

「俺が、こわいの?」

優しい声でささやくケイ

あたしは恐怖で何も言えないまま
体も動かなかった。