女は急にしおらしくなる。
「うぅん……愛斗。」
何かこびてる目。
「お前はかわいいな。お前のいいたいことわかるよ?」
女の目がぱっと開く。
「本当!?ゆりあ、愛斗だーいすき!」
へぇ……ゆりあちゃん(笑)
綺麗な名前だな。
「おい、愛斗。明日ライブだろ?」
仲間のひとりが俺に言う……
「そうだった。あ、ゆりあまたな……」
さっき覚えた名前を早速使う(笑)
女の期待と残念が混じった顔…
そうやってこびてりゃいいんだよ。
階段を一段抜かしでのぼっていくとあの独特な匂いがした。
「雨ふってるのか………………。」