沈黙と体にうつ雨が私を我に返らせた。
私なにいったんだろう。
男は今にも笑いそうな
見下した目をしてた。
「………はは。ごめんな。俺、綺麗系が好みなのよ。可愛いとは思うけど、無理だわ。」
出会いが同じだからって
すべてが同じになるとは限らない
全然違うじゃない……
あの人とは服だって、傘の色だって性格だって…………
この、目の前の男と正反対。
……でも彼との出会いが
この男のせいで塗り替えられた
最低。
最悪。
「私だってあんたなんか好きにならないわよ!二度とこの道を歩かないで。」
自分でも意味分からないことをいって
傘も持たずただ走った。
彼との記憶をわすれないように……
必死に思い出して……
走った。