ついに後半の夏課外が始まった。


「おはよ」


「お、有里。おはよー」


朝、教室に入ってクラスメートと挨拶を交わす。流石に休み明けということもあって、ほとんどの生徒は気が抜けているようだ。


高校二年の夏は、三年生のように受験、就職対策に追われている訳でもなく、一年生のように要領が分からない初めての夏であくせく勉強している訳でもない。


新興の学校だが、一応、進学校でもあるこの学校は、県内の偏差順位をさらに上げようと必死に勉強を推し進めている。



「香織、おはよ!」


「あ、おはよー有里。久しぶり」


「うん! あれ、ちょっと焼けた?」


「当たり前。テニス部だし焼けるよ。有里は帰宅部だから全然焼けてないね。真っ白。本当、羨ましいよ」



親友、香織。小学生からの幼なじみでテニス一筋。少し男勝りな性格だが、有里は香織のさばさばした性格が大好きだ。


以前聞いた時には、わざとテニスの為に焼くらしいとか。相手に強く見えるからと言っていたが、皮が剥けて痛そうだ。



「――で、先輩とはどうなの?」