他の観覧車に乗っている人たちが歓声を上げる。外を見てみると、赤と黄色のような丸い打ち上げ花火が空を彩っていた。
「わぁあ〜! 綺麗! めっちゃキレイ!」
ヒュー……という音に、広がる花火。オレンジや青、緑や紫にまで。それは、まるで夜空にかかる虹のようだった。
「わっ、すごい! おっきい!」
いつもの街ではないような気がして。綺麗な花火は一度大きく大輪の花を咲かせたと思ったら、すぐに光を失って溶けてしまう。
次から次に開く花火。
去年、下から見上げた花火は、今年同じ高さくらいから見ている。口からは綺麗という言葉しか出ないくらい、本当に綺麗だった。
十分くらいだろうか。花火が打ち上げられ、少しの休憩に入ったようだ。再び静かになった空から目を離して、正面に座る西田先輩に目を遣った。
「見た? 本当すごかったね!!」
「ああ、ちゃんと見たって。有里が俺のこと忘れるくらい喜んでくれて良かったー」
少し拗ねたように言う西田先輩を見ると、可笑しさがこみ上げてきた。確かに花火を見ている間、彼氏がいることを忘れていた有里。
「ごめんね、花火、ほんとに好きなの」
「うん、見てたら分かった」
「わぁあ〜! 綺麗! めっちゃキレイ!」
ヒュー……という音に、広がる花火。オレンジや青、緑や紫にまで。それは、まるで夜空にかかる虹のようだった。
「わっ、すごい! おっきい!」
いつもの街ではないような気がして。綺麗な花火は一度大きく大輪の花を咲かせたと思ったら、すぐに光を失って溶けてしまう。
次から次に開く花火。
去年、下から見上げた花火は、今年同じ高さくらいから見ている。口からは綺麗という言葉しか出ないくらい、本当に綺麗だった。
十分くらいだろうか。花火が打ち上げられ、少しの休憩に入ったようだ。再び静かになった空から目を離して、正面に座る西田先輩に目を遣った。
「見た? 本当すごかったね!!」
「ああ、ちゃんと見たって。有里が俺のこと忘れるくらい喜んでくれて良かったー」
少し拗ねたように言う西田先輩を見ると、可笑しさがこみ上げてきた。確かに花火を見ている間、彼氏がいることを忘れていた有里。
「ごめんね、花火、ほんとに好きなの」
「うん、見てたら分かった」