どれくらい、歩いたんだろうか
まだ、夕日が出ない
この人に無言でついていく
どこに行くんだろう…

「ここだよ」

その人はいきなり止まり言った
見上げると、そこは学校だった
「あのー…、ここは?」
「見ての通り、中学校だけど?」
うん、わかってるよ
そーゆうことじゃなくて…
「ここで何するんですか?」
僕はもう一回、尋ねた
すると、その人は背を僕に会わせるように座り、言った
「いいか?今から君はこの学校にいる『彼女』……いや、美里ちゃんを探しに行くんだ」
……え?この中学校に?…てか、なんで美里の名前を…?
「ここに、美里がいるんですか?」
僕が聞くと、その人はゆっくり頷いて、僕の手にきれいな腕時計を持たせた
「この時計が6時になるまでに美里ちゃんを探してきな」
「なんで…6時なんですか?」
「………そこらへんは、気にしないで」
そう言いながら、ポンと僕の背中を押した
学校の校門に入ってしまった
どこにいるんだろうか?
ドキドキを胸に抱えて歩きだした